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診療所は儲かっている

2023年 11月10日 07:00 (金)

消費者物価指数総務省
(出典:NHK、総務省)

次期診療報酬改定に向け、財務省の財政制度等審議会財政分科会財政制度分科会が
1日に発表した『改革の方向性(案)』では、
「診療所は経営は極めて良好であり、マイナス改定とすべき」と主張されています。

ただその根拠は、コロナ禍で一番落ち込みが激しかった2020年度から2022年度への
比較であり、日本医師会は強く反論しています。

コロナ禍は落ち着いてきてはいますが、現在は物価高騰で、光熱費、材料費、消耗品費、
人件費など原価が急激にそれも大きく増加しており、
経営が極めて良好と言えるのか、疑問が残ります。

要は、コロナ禍の次に、物価高騰の波や金利上昇が押し寄せてきているということです。

診療報酬改定は2年ごとに行われますが、世の中の動きは速く、
どうしてもタイムラグが発生してしまっています。
この例などが典型的なタイムラグではないでしょうか。
医療業は、世の中の動きに合わせて売上単価を自由に変更できない、
という大原則があるので、タイムラグを解消することは事実上難しいです。

一方で、以前の記事でも書きましたが、最近は病院の閉院も少しずつ増えています。
2023年度度病院経営調査(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会実施)に
よれば、2023年6月の経常利益は6割強が赤字であり、
2022年6月の5割強から悪化、新型コロナ関係の補助金を除くと、
67%が赤字、という結果が出ています。

また独立行政法人福祉医療機構が2023年10月に公表した『2022年度病院経営の
経営状況(速報値)』では、医業利益率は2021度よりも落ち込み、
一般病院では2010年度以来最低のマイナス1.2%と、厳しい経営状況を伝えています。

来年の診療報酬改定は、こういった状況をどうとらえて、どう改定されるのでしょうか。
またその後2年は、その決定が続くのですから・・・。

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